US304CSP(バネ材)やSECCなど、材質ごとに異なる「スプリングバック」や「反り」を金型構造で制御した精密プレス部品。複雑な曲げや多抜き工程においても、量産時の寸法安定性を維持する工夫を施した加工サンプル。

順送金型の精度を現場の安心へ繋げる|経験から生まれる設計の工夫


1. 「止まらない金型」こそが、量産現場の最大の利益である

金型製作において、図面通りの寸法を実現するのはスタートラインに過ぎません。私たちが追求しているのは、量産が始まった後に「いかにトラブルなく、安定して打ち続けられるか」という点です。

プレス現場において、予期せぬライン停止や微調整の繰り返しは、現場の士気を下げ、目に見えないコストを増大させます。私たちは「金型屋」として、納品後の現場でいかに手が掛からないか、その「現場での平穏」を設計のゴールに据えています。こうした姿勢が、結果としてお客様からの「トラブルが少なくて助かる」という評価に繋がっていると考えています。

2. SUS・黄銅・SECC…難易度の高い薄板プレスで差が出る理由

電子部品や精密機器に使用されるSUS304CSP(バネ材)や黄銅、SECCといった材質は、板厚が薄くなるほど材料の個性が強く現れます。特に、加工後の「反り」や「寸法ピッチのズレ」は、単なる機械の調整だけで解決できるものではありません。

当社では、「材料の動きを金型の構造で制御する」というアプローチを取っています。
たとえば、バネ材特有のスプリングバックを工程内でいかに段階的に逃がすか。あるいは、薄板の累積誤差を防ぐために、どの位置で拘束(位置決め)を行うのが最適か。こうした、材質ごとの癖を読んだ「先回りの設計」が、量産時の形状再現性に差を生みます。

3. 自動車部品の現場で鍛えられた「当たり前」の精度管理

当社は長年、自動車部品の順送プレス金型を主力としてきました。この業界では、一万個に一個の不良も許されず、かつ24時間安定して稼働し続けることが大前提となります。

この厳しい環境で揉まれてきたからこそ、当社には「高剛性な金型構造」や「精度のバラつきを抑えるための管理工程」が、特別なことではなく標準的な手法として定着しました。
現在、この自動車業界で培ったノウハウを他分野へも展開しています。「自動車部品の基準」で向き合うモノづくりは、業界を問わず、高精度を求めるすべてのお客様にとっての「安心」に繋がると自負しています。

4. 「量産現場の負担を減らしたい」という想いに、技術を込めて

ありがたいことに、一度お取引をいただいたお客様からは、継続して次の案件もご相談をいただくケースが増えています。金型は実際にプレス機にかけて何万ショットと打ち込んでみるまで、本当の価値が伝わりにくい製品です。だからこそ、二度、三度とリピートをいただけることこそが、お客様が当社の品質に納得してくださった、何よりの証拠だと受け止めています。

「横山さんの型なら、量産が始まってからが楽だね」
そんなお言葉を現場の担当者様からいただけるとき、金型屋としてこれ以上の喜びはありません。量産中のトラブルをゼロにすることは容易ではありませんが、一歩でもそこに近づき、お客様の現場に平穏をもたらすこと。その「信頼」を裏切らないよう、私たちは一つひとつの金型に、今持てる最善の知恵を注ぎ込んでいます。

5. まとめ:あらゆる精密部品の安定量産に向けて

薄板の順送プレス金型において、精度が安定しない、あるいはメンテナンス頻度が高くて困っている。そんなお悩みがあれば、ぜひ一度お聞かせください。
自動車業界で磨いた「止まらない・狂わない」金型づくりの思想を、貴社の製品づくりに活用させていただきます。難形状や材質に関わらず、誠実な設計提案をさせていただきます。


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