扇状3D形状ブラケットの順送＋単発加工事例｜割れ・ばらつき対策

本事例は JSC270E（t1.6mm）を用いた GSTブラケット を、
順送プレス＋単発1工程（ピアス＆トリム） の組み合わせで量産したケースです。

取付面が扇状に広がる 3D形状は材料が流れにくく、
曲げ時の応力集中 → 割れ・微細亀裂 → 形状ばらつき が発生しやすい部品です。

当社では、トリムライン設計 と ベンドタイミング制御 を軸に工法設計を行い、
割れ抑制と3D形状の安定化を量産レベルで実現しました。

目次

• 1. 製品概要
• 2. 加工課題
• 3. 解決策
  • 3-1. トリムライン最適化
  • 3-2. ベンドタイミング制御
  • 3-3. 単発一工程（ピアス＆トリム）で最終精度確保
• 4. 成果
• 5. 仕様一覧
• 6. まとめ
• 7. お問い合わせ

1. 製品概要

扇状に広がる3D形状は、材料流動が複雑で応力が集中しやすく、
割れの発生・角度ばらつき・戻りの不安定化 が課題になります。

2. 加工課題

• 割れ・亀裂の発生：扇状の取付面で引張応力が局所に集中。
• 3D形状のばらつき：戻り量が安定せず角度精度が乱れやすい。
• 順送→単発の精度連携：最終穴位置・外形の精度を守るため前工程精度が重要。

3. 解決策

3-1. トリムライン最適化（割れの根本対策）

曲げ時にひずみが一点に集中すると割れの原因になります。
そのため、以下の観点でトリムラインを再設計しました：

• 材料が素直に流れるR形状の見直し
• 応力の集中しないライン取り
• ひずみピークを分散させる切り欠き・形状調整

これにより、割れ・微細亀裂の発生率を大幅に低減できました。

3-2. ベンドタイミング制御（3D形状の安定化）

一度に大きい曲げを行うと戻り量が増えて形状が安定しません。
そこで：

• 曲げ量を複数ステージに分割
• 曲げ起点と押さえ位置の最適化
• 角度のばらつきを金型側で制御

これにより、扇状部の角度・位置精度のばらつきを大幅に抑制しました。

3-3. 単発一工程（ピアス＆トリム）で最終精度確保

順送で成形したワークに対し、単発で外形・穴位置を仕上げることで：

• 位置関係が安定
• 誤差の累積を防げる
• 後工程での組立・検査が安定

4. 成果

• 割れ・亀裂の抑制：トリムライン最適化により不良大幅減
• 3D形状の安定化：角度・位置のばらつきを抑制
• 工程の最適化：順送＋単発で高効率・高精度を両立
• 金型寿命の安定化：応力集中の緩和で保全工数も低減

5. 仕様一覧

まとめ

本事例では、割れが発生しやすい扇状3Dブラケットに対して、
トリムラインとベンドタイミングを中心とした工法設計で、割れ抑制・形状安定を実現しました。

順送と単発を組み合わせて 効率と高精度の両立 を実現した例です。

お問い合わせ

「GSTブラケット」「3D曲げ」「順送＋単発加工」「割れ対策」など、
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