アルミ薄板0.2mmを量産する順送プレス技術|オイルクーラー部品向け

順送プレス製品

加工詳細

製品名
オイルクーラー
材質
アルミA3003
業界
自動車業界
アルミ薄板0.2mmを量産する順送プレス技術|オイルクーラー部品向け

加工内容・特徴

はじめに:事例の背景

自動車の高効率化が進むなか、オイルクーラー部品には 軽量・高伝導・高精度・高信頼性 が強く求められています。
本事例では、アルミ薄板(0.2〜0.3mm)を用いたオイルクーラー向け部品を、順送プレスで高精度に量産した取り組みをご紹介します。

アルミ薄板はしわ・割れ・反りが発生しやすく、金型精度・刃先品質・工程設計のわずかな違いが品質を左右します。本記事では、安定量産を実現した要点を体系的に整理します。

1. 製品概要

製品名 オイルクーラー用アルミ薄板部品
材質 アルミ(Al)
板厚 0.2〜0.3mm
用途 オイルクーラーのコア/プレート構成部品

アルミ薄板は軽量で熱伝導性に優れますが、極薄材になるほど成形難度が高くなり、割れ・反りの抑制には高精度金型が不可欠です。

2. 加工課題

  • 薄板の成形安定性:荷重の偏りで反り・しわが生じやすい
  • 金型摩耗による品質低下:薄板は抜き回数が多く刃先摩耗が早い
  • 5µm級精度の維持:金型精度がそのまま製品寸法に影響

3. 解決策

3-1. 超硬金型の採用

主要部位に超硬を採用し、刃先摩耗を抑制。バリ・反りの発生を抑え、金型寿命の延伸と保全コストの削減を同時に実現しました。

3-2. 精密加工設備

プロファイル研磨による輪郭精度向上と、油加工液ワイヤーカットによる熱影響の抑制により、金型精度 5µm を実現。
微細形状でも均質な刃先品質を確保し、薄板加工のばらつきを低減します。

3-3. 順送プレス体制

抜き・曲げ・しごきなどの工程を順送化し、工程負荷を分散。クリアランス調整、押さえ力分布、潤滑条件を最適化し、薄板特有の割れ・しわ・座屈を抑制しました。

4. 成果

  • 歩留まり改善:割れ・反りの発生率が低下
  • 金型寿命延伸:超硬採用で保全頻度を低減
  • 寸法安定化:5µm級精度で品質を均質化
  • トータルコスト削減:順送化+保全削減で最適化

仕様一覧

金型材質 超硬(主要部位)
金型精度 5µm
前加工 プロファイル研磨
放電加工 油加工液ワイヤーカット
成形方式 順送プレス
対応板厚 0.2〜0.3mm(アルミ)

FAQ(よくある質問)

Q1. アルミ薄板が不安定になりやすい理由は?

薄板は座屈・反りが発生しやすく、押さえ条件やクリアランスの差が歩留まりに直結するためです。

Q2. 超硬金型を使うメリットは?

刃先摩耗が大幅に減り、寸法再現性と金型寿命が向上します。

Q3. 金型精度5µmの効果は?

ミクロン単位の差が薄板の反り・バリに影響するため、精度が安定品質の土台となります。

Q4. プロファイル研磨や油ワイヤーの利点は?

刃先品質を均質化し、熱影響を抑えることで寸法ばらつきを防ぎます。

Q5. 他材にも対応できますか?

可能です。材質特性に合わせてクリアランス・押さえ条件・工程分割を最適化します。

まとめ

アルミ薄板(0.2〜0.3mm)の順送プレスでは、超硬金型 × 5µm精度 × 工程最適化 が品質の要となります。
本事例では、薄板特有の成形課題を克服し、量産での高精度・高歩留まりを両立しました。

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