はじめに:事例の背景
自動車の高出力化・高効率化が進むなか、オイルクーラーはエンジンオイル温度を安定させ、摩耗や焼き付きのリスクを抑える重要部品です。軽量化と高精度が同時に求められるため、当社はアルミ薄板(0.2~0.3mm)の順送プレスを採用し、量産と品質を両立する製造体制を構築しています。
主要キーワード:オイルクーラー/順送プレス/アルミ加工/薄板プレス/自動車部品
1. 製品概要
製品名 | 自動車用オイルクーラー部品(順送プレス) |
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材質 | アルミ(Al) |
板厚 | 0.2~0.3mm |
用途 | オイルクーラーのコア/プレート等の構成部品 |
アルミは軽量・耐食・熱伝導性に優れますが、極薄材の成形では割れ・反りなどの課題が顕在化します。本事例では、金型精度5µmの確保と工程最適化により、量産段階での寸法安定と歩留まり向上を実現しました。
2. 課題
- 極薄アルミ材での成形安定性の確保(しわ・割れ・ばり抑制)
- 長期量産に耐える金型の耐摩耗・長寿命化
- 金型品質に求められる寸法精度5µmの維持
3. 解決策
3-1. 超硬金型の採用
主要部位に超硬を採用。高硬度・高耐摩耗により、抜き・曲げ工程での摩耗を最小化し、再現性の高いエッジ品質を維持。メンテナンス間隔が延伸し、生産効率と品質安定が向上しました。
3-2. 精密加工設備
プロファイル研磨機で微細形状の輪郭精度を高め、油加工液のワイヤーカットにより熱影響を抑制。熱変形と面粗さをコントロールし、金型精度5µmを実現しました。
3-3. 順送プレス体制
一つの金型で複数工程を連続加工する順送方式を採用。材料送り・抜き・曲げ・しごき等を統合し、コスト最適化と大量生産を達成。薄板特性に合わせたクリアランス設計・潤滑条件で、歩留まりを改善しました。
4. 成果
- 寸法安定:5µm級の精度を量産で維持
- 耐久性向上:超硬採用で金型寿命が延伸、保全コストを削減
- 生産性向上:順送化でリードタイム短縮・安定供給
- 環境貢献:アルミ軽量化により燃費・CO₂削減に寄与
仕様一覧
金型材質 | 超硬(主要部位) |
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金型精度 | 5µm(公差管理) |
前加工 | プロファイル研磨 |
ワイヤーカット | 油加工液による放電加工 |
成形方式 | 順送プレス(複数工程連続) |
対象材 | アルミ薄板 0.2~0.3mm |
まとめ
アルミ薄板のオイルクーラー用順送プレスでは、超硬金型と精密加工設備の組み合わせにより、量産段階でも高精度・高耐久・高歩留まりを実現しました。自動車部品の軽量化・信頼性向上に直結する当社のノウハウは、同種部品への横展開も可能です。
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