カーリング形状順送プレス製品事例

順送プレス製品

加工詳細

製品名
カーリングブラケット
材質
SPCC・ハイテン材
業界
自動車
カーリング形状順送プレス製品事例

加工内容・特徴

本事例の最大の特徴は、元々は複数だった部品を一体化し、SPCC・ハイテン材(1.0~1.6mm)で複数のカーリング形状を段階的に成形している点です。自社製カムを搭載した順送金型により、組立工程・溶接点・公差累積を抑えつつ、高精度と量産性を両立しました。

はじめに:事例の背景

部品のカーリング形状は自動車の安全性・剛性・軽量化を両立するために有効です。本事例は、SPCC・ハイテン材(1.0~1.6mm)を用い、順送型の複数工程を経て複数方向のカーリングを順次成形し、複数部品の一体化を実現した量産事例です。

主要キーワード:カーリング形状/順送プレス/一体化/部品点数削減/公差累積/SPCC/ハイテン材

1. 製品概要

製品名 カーリング形状を有する自動車部品(順送プレス)
材質 SPCC・ハイテン材
板厚 1.0~1.6mm
特長 数種類のカーリング形状を一体部品内に複合配置/複数部品の一体化

本製品は、従来は個別だった複数部品を一体化し、複数方向のカーリングを段階成形で実現しています。これにより、溶接・かしめ等の接合箇所を削減し、組立性と信頼性を高めました。工程を小刻みに分けることでハイテン材特有の割れ・しわ・スプリングバックを抑え、量産での寸法安定を確保しています。

2. 課題

  • 高張力鋼板の成形難度:弾性復元が大きく、戻り・割れ対策が必須
  • 複合カーリングの工程分割:各方向を段階的に成形し、負荷分散と干渉回避が必要
  • 公差累積の抑制:従来の複数部品構成に比べ、基準面の設計と位置決め精度が重要
  • 金型耐久と品質維持:量産での摩耗抑制と寸法再現性の確保

一体化の狙い

従来は複数の部品で構成していた形状を一体化することで、部品点数削減・接合工程削減・公差累積低減・剛性向上・調達点数削減を実現。設計段階からDFM(Design for Manufacturability)を適用し、基準面の統一と組立性の最適化を図りました。

3. 解決策

3-1. 段階的カーリング成形

順送型内の各ステージに曲げ量を分配し、少しずつ曲げ半径を追い込む方式を採用。送りピッチとクリアランス、潤滑条件を最適化し、材料への負荷を均等化して形状安定を実現しました。

3-2. 自社製カムと工程設計

各カーリング方向・角度に合わせて自社製カムユニットを配置。カムタイミングとストロークを最適化し、順次工程での干渉回避と仕上がり精度を両立しました。これにより、複数種類のカーリングを同一ライン上で効率よく加工可能です。

3-3. 金型耐久・品質管理

摩耗に強い金型材質を適用し、パンチ・ダイのクリアランス設計と面圧管理を徹底。定期的な保全サイクルを設定し、量産中のバリ・形状変動を抑えました。測定治具によるロット内ばらつき管理で、安定した品質を維持しています。

4. 成果

  • 部品点数の削減:複数部品を一体化し、接合箇所を低減
  • 公差累積の低減:基準面の一元化で寸法再現性が向上
  • 高強度材への適合:SPCC・ハイテン材でも割れ・戻りを抑制
  • 量産&コスト:工程集約と順送化でリードタイム短縮、歩留まり改善
  • 安定供給:金型寿命の延伸と保全標準化により長期安定稼働

仕様一覧

材質 SPCC・ハイテン材
板厚 1.0~1.6mm
成形方式 順送プレス(複数工程で段階成形)
金型特徴 自社製カムユニット搭載、クリアランス・潤滑最適化
設計特徴 複数部品の一体化、公差累積低減、接合工程削減
品質管理 ロット内ばらつき監視、基準面一元化による測定容易化

まとめ

本事例は、元々複数だった部品を一体化し、順送型の複数工程でカーリング形状を段階的に形成した点が最大の特徴です。自社製カムと最適な工程・基準設計により、部品点数削減・公差累積低減・品質一貫性・コスト最適化を量産レベルで実現しました。

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