異形カール筒成形の順送プレス事例|SPCC t1.4
加工詳細
- 製品名
- GUIDE STAY
- 材質
- SPCC
- 業界
- 自動車
加工内容・特徴
SPCC(t1.4)を用いた筒状部品の順送プレス加工事例です。本事例では、両端が「丸カール」と「四角カール」という異なる断面形状を持つ、難度の高い異形カール成形を実施。合わせ目の隙間最小化と形状安定を両立し、量産での再現性を確保しています。
1. 製品概要
| 材質 | SPCC |
|---|---|
| 板厚 | 1.4mm |
| 形状特徴 | 丸+四角の異形カールを有する筒状形状 |
| 使用技術 | 順送プレス/芯金(しんがね)カム |
異形状カールは材料流れが不均一になりやすく、スプリングバックや開きが発生しやすい領域です。当社では芯金カム・ブランク補正・段階曲げを組み合わせ、安定した閉じ角度と再現性を確保しました。
2. 加工課題
- 合わせ目の隙間最小化:筒状成形では材料が反発し、開きやすい。
- 形状の安定化:丸側と角側で材料流れが異なり、歪みが発生しやすい。
- 量産での精度維持:カール部は摩耗の影響を受けやすく、寸法変動が起きやすい。
3. 解決策
3-1. 芯金カムによる確実な材料保持
卷き込み時に材料の軌道が外れないよう、芯金カムで押さえ位置を安定化。特に四角側は角部に応力が集中しやすいため、カムの進入角と押さえ量を微調整し、開きの起点を抑えました。
3-2. ブランク形状の最適化
丸側と角側で材料伸びが異なるため、ブランク形状を部分的に補正。曲げ量が大きい領域には伸び余裕を設け、逆に歪みやすい箇所は肉盗み形状を採用し、成形後の応力バランスを均一化しました。
3-3. 段階曲げによるスプリングバック抑制
一度に巻き切らず、順送型内で曲げ量を段階配分。スプリングバックを分散させることで、最終閉じ角度のバラつきを抑制し、隙間ゼロに近い合わせ面を確保しました。
4. 成果
- 丸+四角カールでも安定した閉じ形状を量産で維持
- 合わせ目の隙間を最小化し、外観・機能精度を両立
- 段階設計と保持機構により、寸法ばらつきと応力起因不良を低減
- 摩耗耐性の高い構造により、長期的な保全コストを削減
FAQ(よくある質問)
Q1. なぜ異形カールは難しいのですか?
丸側と四角側で材料流れが大きく異なるため、応力が不均一になりやすく、開き・歪み・反りが発生しやすいからです。
Q2. 芯金カムを使用するメリットは?
巻き込み時の材料位置を強制的に安定させることで、合わせ目の隙間を最小化でき、量産の再現性が大幅に向上します。
Q3. 単発加工ではなく順送にした理由は?
段階的な曲げ・位置保持を工程内で一貫して行えるため、寸法再現性と生産性を両立できるためです。
まとめ
SPCC t1.4の異形カール筒成形では、芯金カム・ブランク補正・段階曲げを組み合わせることで、隙間の最小化と形状安定を量産レベルで実現しました。異形カール部品・筒状部品の順送化に関する課題に、当社のノウハウを活かして対応可能です。
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