SUS304内筒口金金型事例|外径維持とヘミング寸法安定化
加工詳細
- 製品名
- 内筒口金
- 材質
- SUS304
- 業界
- 生活用品、容器関連部品
加工内容・特徴
生活用品・容器関連部品向けの 内筒口金 において、SUS304(t0.25) を用いた順送プレス金型事例です。
本件では、水筒の口金部品に求められる内径ヘミング寸法を、外形寸法を維持しながら安定させるため、金型内での成形条件と調整方法を見直しました。
目次
1. はじめに:水筒用口金部品における薄板成形の安定化
本事例は、水筒の口金部品である 内筒口金 を対象とした順送プレス金型事例です。
材質は SUS304、板厚は t=0.25mm、内径 φ55.1、高さ 14.2mm、ヘミング内径 φ50.2 の薄板ステンレス部品です。
SUS304の薄板は、成形時のばらつきやスプリングバックの影響を受けやすく、特にヘミングのように材料を折り返す成形では、径・高さ・角度のバランス調整が重要になります。
本件では、内径ヘミング部の寸法を調整しながら、同時に外形寸法をキープする必要がありました。
内径側を追い込むと外形側へ影響が出やすく、外形を優先するとヘミング部の径や高さ、角度が安定しにくくなります。
そのため、順送プレス金型内での成形配分と当たり方を調整し、寸法安定につなげました。
2. 製品概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | 内筒口金 |
| 用途 | 水筒の口金部品 |
| 業界・分野 | 生活用品・容器関連部品 |
| 材質 | SUS304 |
| 板厚 | t = 0.25mm |
| 内径 | φ55.1 |
| 高さ | 14.2mm |
| ヘミング内径 | φ50.2 |
| 成形方式 | 順送プレス金型 |
| 形状特徴 | 薄板ステンレス、内径ヘミング成形 |
| 重点管理 | ヘミング内径、高さ、角度、外形寸法 |
本製品は、薄板ステンレスを用いた容器関連部品であり、内径側のヘミング寸法と外形寸法の両立が求められる部品です。
特に、ヘミング部の径・高さ・角度は、わずかな成形条件の違いでも寸法差が出やすく、金型側での細かな調整が重要になります。
3. 加工課題:ヘミング形状の調整と外形キープの両立
■ 内径ヘミング寸法の調整
本製品では、内径側にヘミング形状があり、ヘミング内径・高さ・角度を安定させる必要がありました。
ヘミングは材料を折り返す成形であるため、曲げの入り方やつぶし量、当たり方の違いが寸法に影響しやすくなります。
特にSUS304 t0.25の薄板では、材料の戻りや成形時のわずかな逃げが寸法差につながりやすく、狙い寸法へ合わせ込むのに苦労しました。
■ 外形寸法をキープしながら調整する難しさ
内径ヘミング部の寸法を調整すると、その影響が外形寸法にも出やすくなります。
内径側を追い込みすぎると外形側の形状が変わり、外形寸法を優先しすぎるとヘミング部の径や高さ、角度が安定しにくくなります。
そのため、内径側だけを単独で調整するのではなく、外形寸法とのバランスを見ながら金型条件を合わせ込む必要がありました。
■ 薄板ステンレス特有の成形ばらつき
SUS304 t0.25は薄板であるため、成形時の当たり方や材料の流れ方によって、形状が変化しやすい材料です。
特にヘミング部では、わずかな条件差が角度や高さのばらつきにつながります。
量産で安定させるには、単に一度寸法を出すだけでなく、再現性のある金型条件に整えることが重要でした。
4. 解決策:成形配分の見直しとバランス調整の実施
3-1. ヘミング成形条件の微調整
内径ヘミング部の径・高さ・角度を安定させるため、金型内での当たり方、追い込み量、成形の進め方を調整しました。
一度に大きく形状を作り込むのではなく、材料の動きを見ながら、無理のない成形になるよう条件を合わせています。
ヘミング部は、わずかな調整でも寸法が変化しやすいため、径・高さ・角度をそれぞれ確認しながら、全体として安定する条件を探りました。
3-2. 外形寸法とのバランス調整
内径ヘミング部だけを追い込むと外形寸法に影響が出るため、外形寸法を確認しながら調整を進めました。
内径側と外形側を別々に考えるのではなく、成形全体のバランスとして金型条件を整えています。
これにより、ヘミング寸法を狙いに近づけながら、外形寸法の変化を抑えることにつなげました。
3-3. 薄板SUS304に合わせた成形配分
SUS304 t0.25の薄板では、成形負荷や当たり方の偏りが形状ばらつきにつながります。
そのため、工程ごとの役割を整理し、ヘミング部に無理な負荷が集中しすぎないように成形配分を調整しました。
薄板ステンレスの特性を踏まえ、金型側で材料の逃げや戻りを見込みながら、量産でも再現しやすい条件づくりを行いました。
3-4. 量産での再現性を意識した条件づくり
ヘミング成形では、初期トライで寸法が出ても、量産時にばらつくことがあります。
そのため、本件では、寸法を合わせるだけでなく、金型条件として安定しやすい状態に整えることを重視しました。
内径・高さ・角度・外形寸法を確認しながら、調整箇所と影響範囲を整理し、再現性のある成形条件につなげています。
5. 成果:薄板ステンレスにおけるヘミング成形の安定化
- SUS304 t0.25の薄板ステンレスにおいて、内径ヘミング成形を安定化
- ヘミング内径・高さ・角度の寸法調整に対応
- 外形寸法をキープしながら、内径ヘミング部の寸法を調整
- 薄板ステンレス容器部品として、量産を意識した金型条件を構築
- 生活用品・容器関連部品にも応用しやすい成形ノウハウを蓄積
6. FAQ:薄板SUS304の特性と金型条件に関するよくある質問
Q1. ヘミング成形とはどのような加工ですか?
A. ヘミング成形は、材料の端部を折り返す加工です。
端部の強度確保や安全性、見た目の仕上がりなどを目的に用いられることがあります。
金型成形では、折り返し部の径・高さ・角度を安定させるため、当たり方や追い込み量の調整が重要になります。
Q2. SUS304 t0.25のヘミング成形で難しい点は何ですか?
A. SUS304はばね戻りや成形時の変化が出やすく、t0.25の薄板ではわずかな条件差でも形状に影響します。
特にヘミング部では、径・高さ・角度が変化しやすいため、金型側で細かな調整が必要になります。
Q3. 内径ヘミングと外形寸法の両立が難しいのはなぜですか?
A. 内径側を調整すると、その影響が外形側にも出やすいためです。
ヘミング寸法を追い込むほど材料の動きが変わり、外形寸法や全体形状に影響する場合があります。
そのため、内径と外形を別々に見るのではなく、成形全体のバランスとして調整することが重要です。
Q4. 水筒以外の容器関連部品にも応用できますか?
A. はい。材質・板厚・形状条件に応じて、ヘミング工程や金型構成を調整することで、同様の考え方を応用できます。
水筒部品に限らず、生活用品・容器関連部品など、薄板ステンレスのヘミング成形を必要とする製品分野にも応用しやすい内容です。
7. まとめ:寸法と形状を両立させる順送金型づくり
本事例では、水筒の口金部品である内筒口金において、SUS304 t0.25の薄板ステンレス材を用いた内径ヘミング成形に対応しました。
ヘミング内径 φ50.2、内径 φ55.1、高さ 14.2mm の寸法を安定させるため、金型内での当たり方、追い込み量、成形配分を調整しています。
特に、内径ヘミング部の径・高さ・角度を調整しながら外形寸法をキープする点が難しく、成形全体のバランスを見ながら金型条件を合わせ込む必要がありました。
薄板ステンレスのヘミング部品では、単に形状を作るだけでなく、内径・高さ・角度・外形寸法をどのように両立させるかが重要になります。
生活用品・容器関連部品など、薄板ステンレス成形を必要とする分野にも応用しやすい事例です。
「SUS304」「薄板ステンレス」「ヘミング成形」「容器関連部品」「順送プレス金型」 に関するご相談
薄板成形における寸法安定や、ヘミング形状の両立でお困りの際はお気軽にお問い合わせください。